出来ないと死ぬ。

武術は実践を前提にしてますから、出来なかったら即、死を意味します。

とりわけ「胆力」がないと死に直結しますので、武術の稽古ではまず胆力の稽古から始めます。

「出来ないと死ぬよ」

あなたは、何かを教えてもらうときに、「それが出来なかったら死ぬ」という緊張感で学ぶことはありますか?

武術では常にそういった意図を持って稽古します。

その中でも最も死に直結しやすいのが胆力です。

胆力とは物事に動じない力というように解釈されやすいですが、もっと武学的に言うと「何があってもすぐにニュートラルに戻せる力」です。

例えば、仲間が殺されてもそこで怒りを爆発させるのではなく、自分自身を健やかで穏やかでたおやかなニュートラルに保てるか、ズレてもすぐに戻せるかどうかで、生きるか死ぬかが決まってきます。

闇から光へ

武学の本質は闇から光です。

闇を知っているから多くの光を感じることができる。

恐怖心や怒り、いわゆるネガティブな感情から解放されてニュートラルに戻った経験をたくさん積むことで、自らの内側がどんどんクリーンに洗練されていく。

闇と光の稽古を積み重ねることにより、どんどん統合されていき、その本質を感じ体現することができるようになります。

ですから、まずはどんどん恐怖や怒り不安を体感して、自らそのエネルギーを解放しゼロニュートラルに戻す経験を積むことです。

そうするといつのまにか、常にニュートラルが崩れない仙人のような境地を体現することができるようになるのかもしれません。