正義感。正しさを押し付け合うことによる争い。
正しさが1つだという幻想に囚われると、急に自分の宇宙が分離していきます。
人の数だけ宇宙があり、その宇宙ごとに正しさが存在する。
そのことを身体で理解するのが武学体術です。
今回は「自分の内なる正しさは相手がもたらす」ということについて深堀していきます。
自分の正しさとは
学校には行かないといけない。
宿題はやらないといけない。
先生の言うこと聞かないといけない。
これは自分が小学生、中学生、高校・・・と持っていた正しさです。
多くの人はこういった価値観を持っているのではいかと思いますが、こういった一見正しそうに見えることは日常に多く存在します。
そしてその「正しそうに見えること」は自分の中に正論や正義感などという常識という言葉を隠れ蓑にした「正しさ」という武器を創り出します。
その武器で他者の正しさを攻撃することで、争いが生まれます。
自分が正しいと思っていることは常識であり、多くの人がそう思っているから正しいのだ。という正義感をもとに、違う価値観を攻撃してしまいます。
しかし、それは多くの場合正しいと思われる傾向があるだけで、中には正しいとは思わないという人もいるかもしれません。
そう言った価値観を持つ人と共存することができて、初めて自分の正しさが全宇宙の正しさに通じる可能性を生むのです。
自分の正しさは相手がもたらす
武学の稽古では「外観」が基本になります。
外観とは自分のあり方を他者を通じて認識する行為です。
稽古では、「出来ているかどうか」を外観を通じて認識します。
しかし、多くの場合、内観してしまい自分の正しさを相手を無視して感じ取ろうとしてしまいがちです。
そうすると、完全に相手の宇宙と分離して相手の正しさを無視することになります。
これがデフォルトになると、先に述べたような他者の宇宙の正しさを否定して攻撃することになりかねません。
それは本意ではないので、自分は相手の宇宙を通して自分の宇宙を認識したいと感じています。