酔八仙の講座では、8人の仙人の術りを順番に学んで体得していきます。

そんな酔八仙で3番目に習得するのが漢鍾離(ホンツォンレイ)という仙人です。

抱樽手という樽を抱えた形の手形が特徴の漢鍾離の双手交叉という技法について詳しく見ていきましょう。

漢鍾離の抱樽手について

手の平と手の甲ではエネルギーが全然違います。

仮にあなたが、誰かに手の平を向けられたとしたら、何だか威圧的で嫌な感情とか、不安とかソワソワとした違和感を感じるかもしれません。

しかし、もしそれが手の甲だったら、ほとんど嫌な感じ、威圧感、不安感などは出てこないでしょう。

それは、手の平からエネルギーが出てくるからです。

つまり、手の平を手前に向けることで、自分と手の平でエネルギーフィールドを構築し、相手にはエネルギーを出さないと言う手の使い方になります。

相手が不安感などを感じて、身体を硬らせて強化することがないので、相手が弱いままコントロールが可能となる秘伝の手形が抱樽手なのです。

漢鍾離の双手交叉の技法

実際に、映画「酔拳」の中でもジャッキーチェンが酒がめを抱えて動き回るアクションシーンをご覧になった方も多いと思います。

酒を飲んでは相手の攻撃をいなして、こちらの攻撃を当てていく。

昔は「酔っ払うと痛みが感じられなくなるから強くなるんだ」と誤解していた時期もありますが、そうではなく思考が介入しなくなるから強くなるという話。

そして、漢鍾離では酒がめを抱える手の形である抱樽手を使って、相手とのエネルギーを自在にコントロールしていきます。

その技法が双手交叉と言う技法であり、双推手が基本となり、両腕が自由自在に動き回り、相手をコントロールする。

その稽古を対人で練り込むことで、手が勝手に自分を守る、セルフプロテクションの最強ツールとなるのです。