恐怖や痛み。
これらは自分に湧き上がるネガティブなエネルギーです。
ネガティブというのはあくまで自分自身の意味づけであり、本来はそこにプラスやマイナスといったベクトルは存在せずに、ただエネルギーが存在するだけです。
ですので、自分の人生や世界をより良くするために、それらをいかに活用するのか、が重要になってきます。
恐怖や痛みを制御する
武術で最も重要になるのが胆力であり、胆力とは恐怖や痛みを制御する力のことです。
制御するというのは、痛みを感じなくすることではなくて、痛みを感じても脳への電氣信号の量を調整することを意味します。
例えば、100の痛みを感じたとして、そのまま100の電氣信号を脳に伝達させるのではなく、100の痛みを10に制御して伝達させるようなイメージです。
ですので、痛いのは痛いけど、しっかりと制御できているかどうか、が重要だということです。
鬼滅の刃で煉獄さんが猗窩座に腹を貫かれても、その顔に恐怖の色が見えなかったのは、その痛みや恐怖を正確にコントロールできていたからだと推察されます。
あれこそ、まさに胆力のなせる技であり、しっかりとした制御力を身につけることで煉獄さんのような強靭な精神力を身につけることができるようになるかもしれません。
恐怖心を制御する力を身につける排打功
武術では排打功という稽古法によって、リアルな痛みを制御する稽古をします。
まずは前腕部分を相手とぶつけ合い、その痛みを感じながらも思考に登ってくる恐怖心を自身で制御していきます。
一度やったことのある人であれば、先輩や師匠との排打功によって、自身の功夫のなさを痛感すると共に、その痛みに驚き恐怖心を感じたことがあるでしょう。
しかし、何度もやっていると徐々に慣れてくるのか、痛みや恐怖心を感じても、ある程度コントロールできるようになってきます。
それこそが制御であり、その制御力を身につけることで、胆力が身についてきます。
痛みや恐怖を感じても、自由自在にコントロールする。
その精神力は、自分の行動力へも変容されます。
何か新しいチャレンジをするときに感じる恐怖心すらも制御し、自身の人生や世界をより良くするための行動へのハードルを下げることができるようになるのです。