酔八仙之術の八仙人の1人、何仙姑。

基礎ができて初めてその深みに入り込める。

基礎ができないと、その稽古の入口にも立てない。

そんな難関、何仙姑の稽古について深掘りしていきます。

稽古法が秘伝である

武学の伝承者でわたしの師匠であるレノンリー 老師は、ことあるごとに「稽古法が秘伝である」という趣旨の話をしてくださいます。

1日で達人になる秘伝のようなものはないが、だれでもそれをやることで達人になる方法があり、その稽古法が秘伝であるというのである。

なので、その稽古をひたすら練り込むことで、達人へ近づくことができるのである。

しかし、多くの人はその泥臭い努力や継続を軽視して、安易に達人になれる方法があるのではないかという幻想を抱く。

もちろん、100万人に1人とか、そういったレベルで天才のような人も現れるが、基本的にはみなそういった才能がないので、ひたすら泥臭い継続をする以外に達人に近づく方法はないのである。

そして、レノンリー 老師も自身のことを「凡人」と呼び、ただ情熱が継続していたら、いつの間にか兄弟子より上手くなっていたと言う。

正しい稽古法を継続する。

これ以上に早く達人に近づける方法はないのではないだろうか。

酔八仙之術の何仙姑とその稽古法

酔八仙の8人の仙人の中で唯一の女仙人。

その特徴は構造を重視したスタイル、そして弥勒手をベースにした正中防衛、そして攻防一体の術理。どれをとっても非常に難易度が高く、一朝一夕で稽古できる類のものではない。

それゆえに、その稽古の本質に近づくと、その繊細さに驚くものである、

武学体術である程度、七要と七勢を練り込んでいても、まったくその深遠さには軽い絶望感すら感じさせられる。

そういった深みのある稽古法をしっかりと練り込むことで、あいての正中への意識の向け方と、自分自身を防衛しつつ攻撃する技術が身についていく。