普段、何氣なく使っている身体。
その中でも、手というのは日々使っていますが、そこに宿る秘伝には氣付く余地もありません。
今回は、手の平の深淵なる世界の入り口へご案内します。
手の平の秘伝
以前、手の甲の秘伝についてお伝えしたことがありますが、今回は手の平の秘伝についてです。
手の平というのは実は、感覚器官が多数集まっていて、繊細に感じとる機能が備わっています。そして、武術においては、そこから相手を繊細に感じることができる反面、相手にとっても手の平から相手を感じることができるのです。
そして、特に左手と右手の手の平を両方使って行う行動には意味があります。
手を合わせたり、手を叩いたり。
合掌については別の機会に回すとして、今回は両手を叩くという行為について深くみていきますが、その前に左手と右手の意味について触れておきます。
左手は、「靈足り手」であり、火足りて陽に上がる。
右手は「身極手」であり、水極まりて陰に下る。
要するに、左手は火を右手は水を意味しています。
そして、左手と右手を合わせることで「火水(カミ)」となり神を意味する行為なのです。
拍掌印と意識結界
前回の記事で、意識結界のやり方について書きましたが、拍掌印の使い方が非常に重要になります。
言い換えれば、拍掌印というツールを研ぐ必要があるということです。
良い道具は手入れをして、使い込むことでどんどん精度が高まります。
つまり拍掌印も使い込むことが重要です。
ですので、まずは対人稽古を軸として、1人が自分が意図したスペースに意識の結界を張ります。この時「良い音が鳴るか」を重視してください。
火と水の統合でカミを表すわけですが、このカミを創造している自分が最高元の創造主であるわけです。その「創造」のたまものである音が、かすれた音や萎れた音では優れた創造とは言い難いですよね。
ですので、できる限り美しい音が鳴ることを重要視してやってみてください。
そして、その結果、意識で結界が張れたかどうかを相手に腕を抑えてもらい動いてみるなど、「検証」してみることで、確かに結界が張れているなという実感を培っていくのです。
この結果として、拍掌印がツールとして研ぎ澄まされていき、意識結界がうまくなっていきます。