酔八仙の稽古では、まず身体を緩めるところから始まります。

そのために、排打功の一環としてグランドワークにて「硬い地面」を活用します。

その意味について深堀していきます。

硬い地面が自分を柔らかくする

相手が硬いのに、自分も硬いとぶつかり、怪我をします。

ですので、相手を緩めるか、自分が緩まないと行けません。

ただ、基本的に相手は変わりません。ですので、自分を緩める必要があります。

しかし、やっぱり他人を変えようとしてしまうのが人間というもの。

そこで、地面を使ったグランドワークをすることによって、相手ではなく自分を柔和に変容させていく稽古をします。そうしないと怪我をするという究極のシチュエーションが身体の叡智を開くのです。

硬い地面に直接寝転がることで、身体が緩み出します。

そう言った身体の可能性を拓いていくことで「緩めて」いきます。

地球における地面という存在について

地球という星において、わたしたちは「立つ」ことで地面からの反発を受けながら重力と調和して生きています。

現時点で地面に接することなく生きられる人などいないはずです。

となれば、常に地面から地球のエネルギーを受けているということです。

例えば、歩くという動作についても、地球の反発を無意識のうちに感じながら行っています。

グランドワークというのはこういった地球からのエネルギーをより感じられるワークです。

特に硬い地面だと、その硬さが自身の柔らかさを引き出してくれます。

これは人間関係においても応用できるあり方です。

キツイ性格の人に対して、イラッとしてこちらも頑なになればお互いの主張は平行線をたどるかもしれません。

しかし、そう言った相手に対して、水の如く自身を変容させて柔和に第三案を提案すれば、新しい未来を創造できるかもしれません。

そう言った日常での活用まで発展した氣付きがあるのがグランドワークの良いところです。