ゼロになると全身どこからでも発勁できる状態になる

武術をやったことがある人であれば、「発勁（はっけい）」という言葉は聞いたことがあると思います。

寸勁や暗勁という言葉もいわゆる発勁の分類に入りますが、わかりやすく言えば、相手にもれなくエネルギーを伝達する方法と言えます。

そんな発勁を全身どこからでも起こせるようになるのが「ゼロ化」です。

発勁とは

武術の稽古の基礎はゼロ化です。

そのゼロの状態であれば、全身どこからでも発勁することができます。

そもそも、武術の稽古には段階があり、

まず胆力の稽古から始めます。そして功夫を積み、そして勁力をコントロールできるようになります。

勁力は透明な力とも呼ばれ、力ではなくフォースです。

言うなれば、ゼロの状態でないとコントロールできないエネルギーといえます。

その勁力を発することを発勁と呼びますが、一般的にその勁力を圧縮してコントロールすることを発勁と呼んでいて、それを対人で使うと相手が吹っ飛ぶように見えることから、破壊力がすごいとしばしば言われるようになってます。

発勁できるようになると、全身どこからでも同じ感覚でできるようになります。

手で発勁することだけが発勁ではなく、内部のエネルギーを圧縮して外に出していくコントロールなので、その感覚が身につけば全身のどこからでも発勁できます。

その基本がゼロ化であり、肉体的な過度の緊張感や脱力感があるとできません。

その中間であるニュートラルが体現できていると発勁できるための基本セッティングが整います。

あとは勁力を圧縮してコントロールするための身体の使い方や意識のコントロールを修練していくことで「できる」ようになります。