武学体術の稽古では自身のゼロ化が基本となります。

ゼロを体現することが稽古の基本。

そのゼロ化を相手に伝播することが稽古の基礎となります。

そのためのゼロ化のキープが多くの場合、課題になります。

ゼロ化の体現

ゼロ化のための基本が「七要」いわゆる「7つの秘伝」であり、頸椎、胸椎、仙骨、つま先、側手、正眼、正中を正確に整えることで体現できるのがゼロ化です。

しかし、稽古を始めたてでは、その正確性が甘いため、ゼロ化の精度は落ちます。

言うなれば、初心者のゼロ化は「0.1」程度のゼロ化になるイメージです。

それが稽古を続けていくことで「0.01」のゼロ化になり、「0.001」になり「0.0000001」になっていき、どんどんゼロに近づいていくというイメージになります。

そして、究極はゼロ=無限大の極地に辿り着き、究極のゼロ化を体現することができるようになります。

それが達人や仙人と言われる人が体現している状態であり、その状態が武学体術の基本となるというわけです。

ゼロ化のキープと伝播

ゼロ化を体現したら、今度はその状態をキープすることです。

特に、その場から一歩でも動くと乱れがちなゼロ化。

崩さないという意志と繊細さ。

その繊細さを持って動くことで、ゼロ化が維持されます。

そのゼロキープの状態で相手に触れることで「イノリ」が正確に通じる状態となり、相手にゼロが伝播されます。

これが基本的な稽古であり、少しでもエゴや力みが生まれると、ゼロの伝達が上手く機能しなくなります。

そのジレンマを乗り越えるところが武学体術の稽古の入口という事になります。