武学体術では、重要になる要素に順番をつけて認識をしています。
1に胆力、2に功夫、3に勁力、4に技術、5に武藝(藝術)
この中で最も大切なのが胆力であり、胆力がないと何もできないということについて深掘りしていきます。
ビビらない力「胆力」とは
武学体術では胆力の稽古をまず初めにします。
例えば、稽古するときに仲間が遅くなってるときとかに、今いるメンバーでまず最初にやっておくのが胆力稽古であり、いわゆる排打功という方法で稽古していきます。
前腕部分をぶつけ合って、痛みや感情の乱れをゼロ化する稽古です。
相手の方が功夫量が多いと、絶望的な痛みと恐怖感などの感情の乱れを伴い腕には大きなアザができます。
しかし、功夫が積まれて胆力がついてくると、少々の痛みでは乱れることがなくなり、その結果、以前はできていたアザができなくなっていきます。
すべてをゼロにする、在り方。
まさに太極拳を体現するために基本となる在り方、酔八仙でいうところのすべてを無力化する藍采和(ランツォイウォ)という仙人の稽古です。
胆力の上に功夫を積み重ねていく
胆力がないと、例えば目の前から怖い人が来たとき、メンタルが壊れそうな場面に出会したときに、途端にエネルギーが虚になり、エネルギーが出なくなります。
それは言うなれば、普段の自分から大きくずれて「普通」じゃない状態になってしまったということです。
逆に胆力があれば、どんな状況でも普段の自分の状態、普通の状態を維持することができます。
その状態がキープできて初めて、功夫が活きてきます。
日々積み重ねた功夫を発揮して、相手とのエネルギーコントロールを深めていく。
例えば、先輩と稽古するときに、バチバチと接触して稽古している中で、腕が当たるのが痛くて「痛ぇぇぇ」ってなってたら、そもそも稽古にすらなりません。
そういった点でも、少々の痛みは自らゼロに戻してクリアリングできることが最低ラインなのです。