武学体術において、自分の認識、相手の認識は非常に重要なテーマです。

そんな中で、相手をどうやって認識するのか、が要は自己認識に繋がってきます。

つまり、相手の認識が非常に重要であるということです。

それをどうやってやるのか、まずは骨格の認識から入ります。

相手の骨格を認識する

相手を認識するときに、相手の全体像をぼんやりと認識しても、相手をコントロールしようという稽古の時にうまくいかなかったりします。

それは稽古の順番が間違えています。

まずは相手の一番内側の強固な部分である、骨格の認識から行うことで、相手を認識する力が養えます。

相手の骨格に意識を通しながら相手をテイクダウンする稽古が有効です。

そうすると、相手の身体にエネルギーを通す経路も身につきますし、相手の骨格の認識も強まっていきます。

そうすることで、結果的に自分の内部の骨格認識も深まるのです。

なぜなら目の前の相手を自分だからです。

相手を通じた自己認識力の向上訓練

フランスの哲学者デカルトは「我思うゆえに我あり」と表現しました。

昔から、自分という存在についての疑問や認識が課題でした。

自分は一体何者なのか。

自分という存在は本当に存在しているのか。

その答えをもたらしてくれるのが、相対的な関係性です。

目の前にいる人がそれをもたらしてくれるのです。

目の前の人が自分を認識しているということが、自分が自分を認識できる唯一の方法であり、相手を認識することがすなわち、自己認識に通じます。

つまり、色々な相手と稽古する中で、さまざまな角度から自分を認識することで、色々な側面から自分を認識することができ、またその認識の精度も上がっていきます。

いわば、対人稽古は自己認識力の向上訓練と言えるでしょう。