武術のパンチやキックは格闘技のそれらとは全く違います。

それは攻防一体であり、まさに武器の技術と同様。

変幻自在なパンチで深い武術の世界を感じることができます。

ゆっくりパンチを打つ練習をする

速く動けるのはすごくない、ゆっくり動けることがすごい。

レノンリー老師は稽古の際に口を酸っぱくして「ゆっくり動く」ことを指導してくださいます。

ゆっくり動けるということは、コントロールできているので、そこからスピードを上げて速く打つことも可能になります。

しかし、速くしか動けない、打てない人はゆっくり動けません。それはもはや惰性であり、「だせえ」ことになります。

武術はエネルギーコントロールを体得することを目指しますので、まずは自分自身の身体を正確にコントロールできることを目指します。

そのための稽古が、ゆっくりパンチを打つということ。それを相手がちゃんと回避する。そうやってお互いのエネルギーコントロール能力を高めていきます。

ポテンシャルを変えないでパンチを打つ

武術のパンチは筋力に依存しません。身体の内側から湧き上がるフォースに依存していますから、フォースが高まれば高まるほど強いパンチになり、それは発勁とか寸勁とか呼ばれたりします。

そのフォースに依存するパンチは、自分の内部のエネルギーコントロールです。

内部に波が立つと筋力が発動しやすくなります。

ですので、常にニュートラルに思考も感情も穏やかな状態で、等速なパンチを打つこと。

ポテンシャルを変えずに、心が凪の状態。

そうやって創ったあり方がパンチにも反映されていきます。