いわゆる格闘技の稽古などは相手より強くなろうとする稽古が主流です。

相手のスピード・スタミナ・パワーよりも自分を上回らせる競争。

しかし武術は真逆です。相手よりいかに弱くなるか。その稽古です。もう少し詳しく説明します。

相手より弱くなること

相手より弱くなると相手から認識されず、こちらだけが相手を認識できる状態になります。

その状態は非常に相手をコントロールしやすい状態です。

赤ちゃんがわかりやすい例かもしれません。

自分より圧倒的に弱い存在ながら赤ちゃんに色々とコントロールされてしまいます。

逆に自分が相手より強くなれば相手からもそれを認識されやすくなります。

そうなると相手はそれ以上に強くなろうとします。今、世界で起こっている戦争などはそれが原因と言えるかもしれません。

自分の中から悪を消す

武術の稽古は相手をいかに弱いままにさせるのかがテーマです。

そんなときに相手からバイオレンスが来てそれに対して悪を見出してしまうと、こちらはそれに対応してさらに過剰に反発を起こすかもしれません。

するとその正義感によって相手の悪はさらに膨張する可能性があります。

なのでまずやらねばならないのが、自分の中から悪を消すこと。

そうすると相手はそれ以上強くなれません。そうすればエネルギーコントロールもそこまで難しくならないかもしれません。

それが相手より弱くなるあれるか、の稽古なのです。