酔八仙之術(酔拳)では8人の仙人の稽古をします。

その中でも最も基礎中の基礎であり、全ての稽古の土台になるのが藍采和(ランツォイウォ)という仙人です。

藍采和は柔和体術。

いわば、全てを無力化する稽古をします。

全てを無力化する在り方を磨く稽古

例えば、あなたが誰かに少々強く叩かれたとしたら・・・

どんな反応をするでしょうか?

よほどの人でない限り、痛いとか怖いとか何かしらの反応が出るのではないでしょうか?

藍采和という仙人の稽古はこういった、相手からの負のエネルギーを、全て無力化していきます。

無力化ということは、言い換えれば「何事もなかったことにする」稽古です。

仮に最初のような誰かに叩かれるという状況で、仮に痛がったり怒ったりすれば、その行為が相手を悪者にすることになります。

しかし無力化することで、何事もなかったことになるため、悪者どころか、波風すら立ちません。

そのような悪者をつくらない在り方を磨くのが藍采和です。

藍采和で磨く太極感覚

藍采和での稽古は太極拳の感覚にも繋がります。

全てを無力化する在り方は、どんなバイオレンスもゼロに戻す力があります。

つまり、太極拳の在り方そのものです。

しかし、それは実際に物理的にハードな練習をしないとなかなか培われない感覚です。

だから、酔八仙の稽古ではリアルな打撃を加えてそれをゼロに戻す胆力というのをまずは戦います。

排打功という稽古がその1つです。

実際に相手と腕をぶつけたりして痛みや恐怖などの感情を認識して、意識でゼロに戻します。

そうすると感情のコントロールができるようになり、何かことが起こっても無力化、無かったことにできる在り方へと繋がっていくのです。