武学體術では人間の行動を科学的に解明することで、再現性をもって伝達していく稽古形態を持っています。
今回は蹴りや移動、接触(コンタクト)について深掘りしていきます。
蹴りを科学する
武術の稽古では。移動と蹴りの稽古は同時にやります。
それは、蹴るという行為を科学した結果の結論です。
相手との距離が遠すぎると蹴りが届かないので、蹴りが届く範囲まで近づいてから蹴りますから、蹴りと移動は同時なのです。
蹴るという行為は、相手を痛めつけるためではなく、コントロールすることを目的に行います。
このように人間の行動を科学していくことで、どんどん本質に近づいていきます。
目的を持つことでエネルギーが生まれ、移動という行動に転換する、ということです。
そして、相手との関係性もそのポジショニングによって変わりますから、移動とそのポジショニングを徹底的に身につけていきます。
接触を科学する
相手を掴むという行為。
それは第一関節、第二関節、第三関節、というように徐々に曲げていくことで螺旋を形成する作業。
つまり、そういった筋肉の収縮を行うための電氣信号があって、それをコントロールできるかどうかを稽古します。
相手の意図による電氣信号の発生を認識してコントロールする。
そういった、繊細で深い稽古につながります。
身体の動きを科学することでその本質が意図でありその結果発生する電氣信号であることが徐々に認識できるようになっていきます。