武術ではエネルギーコントロールを繊細に身につけていきます。
今回は、指先と緊張・弛緩について深堀していきます。
指先にエネルギーが流れる
人は指先に強いエネルギーが流れることを無意識に理解しています。
「あっ!」と指を指されたら、そっちの方向に目を向けることでしょう。
それは指先にエネルギーが流れてるからです。
それは、人差し指だけではなく、他の指でも同様です。
ですので、指を閉じてグーの状態にすると、外にエネルギーが流れなくなります。
逆に、パーにすると、5方向にエネルギーが分散します。
そこで武術では通背手という手形を使って、全ての指を1つの方向に向ける手の形を作りエネルギーコントロールをします。
指先の秘密、面白いですよね。
緊張と弛緩をコントロールする
人間はその昔首を獣に噛まれた記憶をDNAに宿しています。
それはほぼ全ての人に当てはまる情報でしょう。
つまり、獣の歯など鋭利なものが首筋に近づくと身体に反応が現れます。
それはほとんどの場合は「緊張」という形で現れるでしょう。
しかし、その緊張によって、さらに状況を悪化させる可能性があります。
例えば相手に首を絞められたときに、緊張させてしまうと、相手により絞められやすくなってしまいます。
ですので、逆に緩めて相手に首を絞められないようにするような反応に上書きすることが重要です。
相手のエネルギーによって無意識に起こる身体の反応を意図的に変容させる稽古をするということです。
これが武術の稽古の面白いところです!