武術での脚の形は馬に乗っている状態のエネルギーを体現するという意味で「馬歩(マーブー)」と呼ばれています。
今回は、馬歩について深堀りしていきます。
馬歩とは武術で重要な下半身のエネルギーコントロール
武術では特に下半身のエネルギーが重要になります。
正確には、上半身と下半身の両方のエネルギーが重要なのですが、脚が全く動かないということはないので、そういった意味で、脚のエネルギーができていないと全身のエネルギーのバランスが乱れてしまいます。
上半身のエネルギーをしっかりと全身に運用するために、下半身のエネルギー状態が重要になります。
では、どのようなエネルギー状態を体現するのが良いのかというのが、馬に乗っている時のエネルギーということです。
そこから武術での下半身の形を馬歩と呼んで、馬に乗っている時のエネルギー状態を体現することを目指します。
そうすることで、全身のエネルギーの流れがスムースになり、よりニュートラルで自然なエネルギーを体現することができるようになります。
馬歩で体現したい「動く丹田」の感覚
武道などで「臍下丹田」が重要だという話を聞いたりしたことがある方も多いと思います。
臍下丹田とは臍(へそ)下にある丹田という意味で、そこの意識があると動きがより良くなるということ。
武術では「中心」という意識状態の時に重きを置く場所です。
そしてそこを意識するときにやりがちなのが、身体を固めてしまうということ。
これは全身のエネルギーの流れを滞らせることになり、いわば自然体から不自然体になってしまうので、あまり良くありません。
そこで体現したいのが、馬に乗っている時の「丹田が動く」感覚なのです。
動きの中で丹田意識が継続する状態。
武術ではまずはその感覚が身に付くようになるのが基礎となります。