理屈は理屈とのぶつかり、争いを生み出します。

それが現代の「戦争」の仕組みであり、システムの源泉です。

争うこと自体は「悪」とみなされやすく、それが分かっているのに、いまだに理屈でぶつかりを産むのは愚かではないでしょうか。

そこで、武術で提案しているのが、理屈を「体現し」その結果、「武」「自他不敗」「自分も負けないし、あなたも負けさせない」を実現すること。

それこそが「武学」のあり方です。

理屈を理屈のまま扱わないことの重要性

あなたは誰かと言い争いになった経験はありませんか?

もしくは、誰かの「正しさ」に「それ違うよ」と反感を覚えた事はありませんか?

これは、理屈を理屈のまま扱うことによる弊害です。

自分と同じ方向性を向いている人、もしくは親しい人であればこんなことは起こりません。

なぜなら、身体でエネルギーを共有して方向性を修正できているからです。

しかし、初見の人、特に今ではSNS上でのやりとりではこういった身体でのエネルギーの共有はできていないことがほとんどです。

その場合、ほとんど思考でその補正を行なっているので、ほぼ幻想の相手とエネルギーを共有しているということになります。

つまり、自分の感覚と合わないと「敵」と見做し、そこでエネルギーのパイプを切断してしまっているのです。

要するに敵と見做した相手の言い分を拒否するエネルギーで対峙するので、受け入れ難いエネルギーとして自分に入ってくるということです。

ですので、まずは理屈を理屈のまま扱わないことが重要になるのです。

理屈を体現する

もし、自分が「これが正しい」と思うようなことがあるのであれば、それを体現することが重要です。

体現するというのは、言い換えれば、相手の世界でその理屈を実証するということです。

相手の正しさの中に、自分の正しさを証明する。武学ではこう表現します。

自分がいかに「これが正しい」と思っていても、相手がそう思っていなければ争いが生まれます。

ですので、まずは相手の「正しさ」を知り、その正しさの中に自分の正しさを体現する、この順番が重要だということです。

決して、自分の正しさだけを主張してはいけないということ。

相手の正しさを知り、自分の正しさを知り、そしてその2つの正しさが両方成立する事象を体現することが重要だということです。