武学ではまずは自分自身が弱くなることを目指すと言われます。

格闘技や武道では強くなることを目指すようなイメージがありますが、武術では逆です。

いかに相手より弱くなれるかを稽古します。

日々の稽古でゼロを深めていく

武学体術の稽古はひたすら弱さを探求すること。

相手より弱くなることで、相手を感じることができる。

相手より強くなると相手の強さが感じられなくなる。

つまり、弱くなればなるほど感じられることの総量は増えていきます。

そしてゼロを体現すると、すなわち無限大、全てを感じられる様になります。

だからこそゼロを極めていくことで、全てを感じられるあり方を磨いていくのです。それが日々の日常稽古であるゼロセンスを磨く、七要の稽古なのです。

ゼロ極まる

武学体術の最高峰である酔八仙之術で使われる禮法、天人統合禮法は禊開門九禮法という9つの禮法がパッケージされた禮法です。

つまり、9つのステップがあるということ。

その1つずつにおいて、よりゼロが深まっている感覚が重要です。

逆に、1つずつがそれぞれ独立した禮法として機能してしまうと、その都度ゼロからずれてまた戻してという作業になり、本来の天人統合禮法としてのエネルギーが体現しづらくなります。

なので、1つずつどんどん掛け算のようにゼロが深まっていくような意識が重要です。

そうすると、9つの段階が終わる頃にはゼロが極まり、深淵なゼロセンスの体現ができるのかもしれません。

それこそが究極のゼロ、無限大の極地です。