武学では「相手を知る」ことを重要視します。
相手に触れて相手の身体の状態をスキャンする稽古で、相手の力みや緊張を瞬時にサーチする感覚を養っていきます。
そういった相手を捉える意識がコントロールできるようになると、相手の全身をキメることができるようになります。
相手の全身をキメる
武術の関節技はゼロの状態で行います。
いわゆる格闘技のような痛める関節ではありません。
もちろん、痛めつけることもできるけど、やらないということです。
そのかわり、そういった意念を強く使うことで、相手はその意念によってコントロールされます。
ですので、実際には痛みはなくてもキメられてしまうのです。
相手の全身を捉えるという意識のコントロールが正確にできると、こういったことが現象として起こせるようになります。
ゼロ化の活用
痛めつけない関節技によって相手の全身をキメることができるようになると色々な氣付きが起こります。
それは自分の意識のコントロールが重要なのではないかということ。
ゼロの状態を体現して、意識をコントロールすれば相手がコントロール出来る。
その体験が、「より自身を禊いでゼロ化していく」ことの稽古の必要性を感じさせてくれます。
そのベースにあるのが、この世界をより良く、より面白くしたいという意志です。
この前提があるから、この稽古の本質を探求できるのではないか。
ゼロを探求して、そのゼロを自分の人生の全てに応用していく。
それが武学體術の最も美しい使い方なのかもしれません。