陰陽という言葉、これ「陽陰」とは言いませんよね。

つまり陰から陽という順番が重要だという事です。

武学ではまさに、闇から光というのが基本コンセプトになります。

今回はこの闇から光という流れにおいて、人間の可能性を拓くための考え方を深堀していきます。

闇から光

もしこの世界が光しかなかったら、光を認識することはできません。

これは非常に重要な考え方です。

逆に、闇も闇だけしかなければ認識できません。

光が光り輝けるのは、闇の存在があるからこそ。

人生においても、辛いこと、悲しいことがあるから、喜びや嬉しさを感じられるのだと思います。

武学はもともと戦争のための学問でした。殺し、殺され、どうすれば相手の国を滅ぼせるか、というゴールに向かって考えられた中で、生まれてきました。

つまり、闇の歴史がベースにあるのです。

その結果、相手を殺したりすると、復讐されて悪循環が止まらない、自分も負けないし、相手も負けさせない状態と創ろうと、光を見出しました。

非常識な可能性の拓き方

普通、「あなたには無限の可能性がある」などという言葉で、相手の可能性を拓こうとしがちです。

しかし武学では「あなたには可能性なんてないから」という究極の闇からスタートします。

生き残る可能性なんて微塵もない。というスタート地点から、いかに生き延びる可能性を上げられるか、という体術の稽古。少しでも攻撃心が出れば、相手から殺されるという前提での稽古。

いかに全てと調和し、万物に益することができる人間になるか。

そう言ったあり方を目指す中で、全くの可能性がゼロの状態から、少しずつ身体の感覚を開き自分の可能性を開いていく。

闇から光を見出していく、武学ならではの可能性の拓き方は、一生奪われない「感覚」として身体に積み上げられていきます。