人間は自然物です。

しかし思考が介入すると途端に不自然になります。

例えば、相手がパンチしてきたときに「右かな左かな」って考えるとパンチを避けることができなくなります。

自然であれば、相手のパンチを身体が避けてくれます。

内なる自然を思い出す

人間は本来は自然なものなので、宇宙の一部として調和するようにできています。

しかし思考が働くと不自然な振る舞いをします。

例えば子供はどんな状況でも常に自然に近い振る舞いをします。

それが葬儀会場だとしても、親戚の子供たちと嬉々として楽しそうに遊んでいたりします。

一方大人は、そんなこと不謹慎であると「常識」という名の概念にとらわれて理性を働かせて行動を制御します。

これは一見すると当たり前だし、常識的な行動です。人間は社会的な動物なので他人からの目を氣にします。その結果、不自然な行動をとるようになります。

しかし、本来の自然とは常にニュートラルにあり続けること。思考が介入しない状態を維持することが自然であると言えます。

それを身体の内側から思い出していきたいのです。

内なる自然を観る…とは

この人工物だらけの世界において、自然に触れるのはなかなか難しくなりつつあります。

特に都内に住んでいたりすると、自然物などほとんどありません。

そんな中で最も身近な自然は自分の身体です。

そんな身体はそのもの自体が自然物ですが、その中でもとりわけ呼吸は自然の象徴です。

呼吸は意識的にもできますが、ほとんどは無意識に起こっています。

息を吸おうと思って吸わないし、息を吐こうと思って吐いてるわけでもありません。

おそらく自然に起こっているはずです。

そんな呼吸に意識を向けるだけで身体本来の自然がどんどん取り戻されていきます。

武学ではこれを観息と言って、息を観るだけで身体がゼロ化されていくのを感じる稽古をします。

ぜひ日常に取り入れて、ニュートラルな生活に活用してみてください。