武術には站椿功(タントウコウ)という稽古方法があります。
酔八仙には7つの站椿功があり、そのすべてはミソギ→ムスビ→マツリ→イノリ→ミノリという五行練功の2番めである、ムスビの稽古となります。
要するに、站椿功が正確にできていたら、ムスビが起こるのでそれを対人でチェックしていきます。
そんな站椿功は実は陰陽術とも関係があり、それが非常に興味深いのです。
この記事の最後にレノンリー 老師が站椿功と陰陽術について話をされている動画がありますので、ぜひご覧になってみてください。
站椿功とムスビ
站椿功のやり方についてはこちらの記事で詳しく解説していますが、言うなれば「まっすぐ立つ」ということです。
このまっすぐ立つというのは、言い換えれば他者に依存しないということです。
まっすぐであればあるほど、依存心がゼロに近づき、主体性100%になるということです。
例えば、雨が降ってもそれは自分があえてそうさせているのだ、という創造主マインドになるわけです。
自分の人生に起こる全てのことが自分でコントロールできるようになり、そういった状態がまっすぐに立てていると表現されます。
このまっすぐ立てている状態であれば、他人が自分に触れてきたときに、即ムスビが起こり、相手との分離感がなくなります。
分離感というのは境界線のようなもので仕切られている感覚で、まっすぐに立てていればこれが幻想であることを体感できるはずです。それがムスビです。
站椿功と陰陽術
陰陽術はいわゆる氣や見えないエネルギーをコントロールする技術で、高度な技法とされています。
一般の人には「やらせ」に見えたり「胡散臭く」感じられることもあるのは、目に見えていないからであり、そこに体感が伴えばまた別の話です。
站椿功で見えないエネルギーを操り、ゼロ化することで相手とムスビが起これば、その世界では目に見えないエネルギーは相互の体感を伴ってそのリアリティを共有します。
この体感を伴った感覚を磨き、徐々に相手との距離を話していくことで、ある臨界点を超えたときに接触から非接触の次元へと昇華します。
これは水が固体から液体へ、そして氣体になる瞬間に似ています。
酔八仙では上善如水を目指し、水の稽古をしますので、必然的に陰陽術のような稽古法も出てきます。
酔八仙の稽古システムは、稽古すればだれでもできる、再現性100%の科学としてシステム化されています。
そういった意味で、站椿功の稽古が陰陽術にもつながってくるのです。