武術は全体的であり、進化するもの。
一方で武道はルールや前提条件があります。
例えば柔道で竹刀もって攻撃してはいけないし、蹴りやパンチを学ぶことはありません。
剣道で投げ技を学ぶことはありません。
しかし、武術では全ての可能性を稽古します。
武術の本質は師匠を超える前提で稽古すること
武術と武道の違いは全体か、専門かという違いの他に、進化するかどうかと言うのが重要なエッセンスとしてあります。
武術は進化が前提であり、師匠を超えていくことが当たり前として稽古していきます。
そうでないと進化しないからです。
しかし、一般的な武道と呼ばれるものは、その創始者を超える人はほとんどおらず、そこに進化はあまり見受けられません。
それは1つの枠であり系が出来上がっているので、そういった進化が生まれてこないからです。
そういった武道ならではの良さもありますが、その点で武術とは大きく異なると言うことをお伝えしておきます。
武術は師匠を超えていくのが当然であり、その前提で稽古していく。そうすることで進化をさせていくことが本質として組み込まれていると言うことです。
進化の本質
武術は宇宙の体現であり、宇宙は常に広がり進化しています。
つまり、進化しないものは武術ではなく、その進化の本質を捉えられるかどうかが武術かそうでないかの分かれ道ということになります。
ですから、進化が止まったら途端に武道や格闘技の範疇に入ってしまうということです。
常に、自分が創り出したものでさえ、新しく進化させられるかどうか、もっと言えばそれがごく自然にできるかどうかが本物の武術家であるかどうかを分ける鍵になりそうです。
自然と進化していく。
進化が当たり前であり、そういった在り方を自然に体現できること、もっといえば「勝手に進化してしまう」というのが進化の本質なのかもしれません。