武学では必ず相対力学で稽古し検証を積み重ねます。

基本は1人稽古は上級者のためのもので、初心者は必ず対人で稽古します。

そうすることで今の自分の状態を相手を通して客観的に観察することができます。

相対力学による自己の逆観測

自分という存在が存在しているのは、観測者がいるからです。

量子力学的には観測者がいなければ物体は存在が確定しないのです。

ただし、自己が自己を観測してとそれは観測とは言えず、他者の観測が必要となります。

そこで、武学では相対力学を使うことで相手が自分を観測します。

言い換えれば、相手を通じて自己が観測主体になれるということです。

目の前の人がいるおかげで自分の存在証明が確定するということです。

相手のエネルギーに左右されない

目の前にいる人を通じて自らが観測主体になるということは、もはや目の前の人も自分であると言えます。

例えば、目の前にいる人に胸を押さえられて進まなくされている稽古があります。

相手を邪魔者(他人)と認識していると全然前に進めません。

しかし、目の前の相手も自分だと、そう認識ができればいとも簡単に前にて進むことができるようになります。

このように、相手のエネルギーに左右されなくなるためには目の前の人と一体になる感覚が重要なのです。

その感覚を培うために日々の武術の稽古を鍛錬していると言っても過言ではありません。

それがゼロ化です。