人間が歩く。
それは空間を移動していくこと。
移動とは何なのか。
その本質に迫ります。
空間を移動する「歩く」という行為
武術の稽古ではまず「歩く」稽古をやります。普段何氣にやっている「歩く」という行為。
歩くというのは空間の移動。
それもエネルギーの移動です。
しかし多くの人は歩く時にその繊細さがなく、エネルギーがダダ漏れしています。
例えば脚に過剰な筋肉の緊張があったり、上半身と下半身が分離していたり。
なのでまずは身体を1つとして使えるような歩く稽古をやります。
秘伝中の秘伝ニュートラルに歩く稽古
具体的には自律禪法という稽古で、まずはひたすらゆっくりと歩きます。遅ければ遅いほど有用です。
自らの緊張や強張り、無意識の雑さに氣付くことでより繊細に歩けるようになります。
その時に、水のたくさん入ったコップなど持ってこぼさないように動くと、よりニュートラルな動きが見えてくるかもしれません。
ただ歩くという行為にどれだけの丁寧さ、繊細さを見出せるのか。
まさに武術の中でも秘伝の稽古と言われるだけあります。
システマなどの稽古でも、いかに自然に歩けるかを稽古することからも分かるように、普段の生活の中での動きや振る舞いを「稽古」にするという意識そのものが、重要なのかもしれません。
そして、日々の何氣ない行動が稽古になることで、格段に身体の使い方が上手くなっていくでしょう。