酔八仙之術(酔拳)の基礎になっているのが、五行北拳と五行南拳です。
いわゆる、北拳、南拳と呼ばれたりしますが、実際にはそう言った武術の流派は存在しません。
北側の武術、いわゆる北派武術の総称が北拳であり、南側の武術、いわゆる南派武術の総称が南拳です。
この記事ではそんな北拳と南拳の違いについて少し詳しく見ていきましょう。
北拳と南拳どう違う?
結論から言うと、全く違います。
北拳は割とおおざっぱだけど、南拳は細かい技術が多く、流派も多いです。
北拳に関しては、特に流派が違うと稽古法も全然違うので、その最大公約数的な稽古法を引っ張り出したのが北派拳術の武術基礎・基本功です。
基本である震脚から、腕や手足を伸ばす動き、そう言った基礎訓練を行うことで、運動能力を引き出していきます。
一方で、南拳の方は洪家拳や蔡李佛家拳、詠春拳、白鶴拳・・・などなど圧倒的に種類が多くなります。
ところが、その多くは特徴が似ています。この点は北拳と大きく異なります。
その理由としては、武術の原点が洪家拳にあるからです。
北拳の役割と南拳の役割
大まかに分けると、北拳は身体づくりがテーマで、
南拳では「武術的な身体づくり」がテーマです。
「北拳やるとダンスが上手くなります。」これはレノンリー老師の持論ですが、実は北拳はバレエの身体操作法を導入して訓練方法が練られています。
そういった点でも身体操作を軸とした訓練方法がたくさんあるので、基礎を学部には北拳がピッタリだと言います。
そして南拳は見た目は似ているものが多いですが、実は繊細なエネルギーコントロールがたくさんあり、武術的な身体操作を深めるにはもってこいです。
北拳で武術をやる上での基本的な身体操作を練り込み、南拳で武術的な身体操作、角度やエネルギーの微細な感覚を深めていくと良いのかもしれません。