排打功(ハイダコウ)という武術の稽古法があります。
前腕部分をぶつけ合って、痛みを自分の中でクリアリングする武術の基礎稽古です。
この排打功の意味や深さについて今日は記事にしてみます。
武術に準備運動はない
スポーツや格闘技の練習前には必ず準備運動をすると思います。
準備運動なしに、全速力で走ったりしたら怪我しやすくなりますよね。
なので、急にポテンシャルを変化させるような動きをする前には必ず準備運動をするようになってます。
ただ、武術の前提としては、
いつ、誰が、どこで、何人で、どんな武器で襲ってくるか分かりません。
急に来られて、もし準備運動が必要なものだったとしたら使えません。
だから、準備運動という概念がないのです。
ただ、もし武術に準備運動のようなものを見出すとしたら、それが排打功になります。
排打功で胆力を鍛える
まず武術の稽古会などに行ったらやるのが、排打功です。
前腕部分をぶつけ合って痛みをクリアリングする。
そして脚の排打功なら、スネとか太ももを蹴り合って痛みをクリアリングする。
そうすることで、痛みに伴う恐怖や不安、怒りなどのネガティブな感情をコントロールすることができます。
ただ、それだけだと排打功の稽古としては不十分です。
排打功で相手の中心を捉える
排打功で体現したいのが、相手の中心を捉えるということ。
動きの中、痛みの中でも、しっかりと相手の中心を意識して自分が主体的にコントロールする。
それが武術の基礎的なあり方です。
ですので排打功で腕をぶつけるとき、脛をぶつけるときにも、相手の中心から意識を切らないことが重要です。
そして、そう言った相手の中心と関わり続けるあり方が、人間力の向上にも繋がります。
排打功で自分の中心、相手の中心を感じられるようになることで、実践にも使える武術が少しずつ身についていきます。