経験が全ての不安を解消する。
多くの場合、不安や恐怖を感じるのは、それをいまだに経験したことがないからです。
であれば、先にそれを経験しておくことでほとんどの不安は解消、軽減できます。
不安や恐怖を解消するリアルな稽古
武術では、物理的な接触によって心理的、精神的な面の稽古を培います。
それは、時に負のエネルギーを意図的に生み出すことによって稽古していきます。
具体的には、相手を思い切り殴り、痛みや恐怖を入れるということによって行ったりします。
実際に、思い切り身体を殴られたりすると、恐怖や怒りの感情が生まれます。
そして、それを一度経験すると、相手が近づいてくるだけで不安を感じたりするようになります。
しかし、一度思い切り恐怖を感じた後にそれを回復していくことを経験すると、一度経験した以上、次も回復できるような感じがしてきます。
そして、これらの過程を何度も経験していると、打たれてもどうせ回復できるという妙な自信のようなものが芽生えてきます。
不安や恐怖を先に解放する
何度も痛みや恐怖を感じる稽古をしていると、それがコントロールできるものであることに氣付きます。
痛みも恐怖も自分のボディのコントロールによりその質が変容して、弱くなったり無力化できたりします。
そうすると、それを「どれぐらい早く」解消できるのか、というところに重きが置かれるようになります。
最初は30秒くらいかかっていた、回復。
それが徐々に早まってきて、10秒になり、5秒になり、1秒になり・・・
そのうち、全く効かなくなります。
そして相手に殴られるより前に回復し、相手の攻撃意志を削ぐことすら可能になります。
これが先の先という次元なのかもしれません。