ダンチーサオ。
詠春拳の基礎的な稽古法として有名です。
相手のエネルギーを感じて、自分のエネルギーをコントロールする。
非常にシンプルな稽古ですが奥が深い。
今日はダンチーサオについて深堀していきます。
詠春拳の基礎稽古法「ダンチーサオ」
ダンチーサオ。
詠春拳の稽古をしたことがある方なら、まず最初の方で稽古したことがあるでしょう。
正中意識を養い、相手との間に正中感覚が宿った後にまずやるのがダンチーサオです。
やりやすい方法としては、まず仮に攻撃側と防御側を作って、攻撃側が相手の正中に向かってエネルギーをかけることでそのエネルギーを使って自分の手の形を変えていく。
やり方は色々な方法があるので、動画をご覧いただきたいのですが、重要なポイントは「考えなくても手が勝手に動くようになる」まで練り込むことです。
思考によって動くのでは相手の行動より遅くなります。
しかし感覚によって動けば、相手の速度と同じ速度で動けるようになります。その次元を目指します。
考えるな、感じろ
詠春拳の稽古だけでなく、武術の稽古では基本的に「考えること」を止めるところから始まります。
これができない限り、先に進めないと言っても過言ではありません。
ですので、武学体術ではまずは「禮法」という方法で、思考をゼロ化、つまり「考えない」状態をつくります。
そうすることで、相手の攻撃をエネルギーで感じて、そのエネルギーと調和して第三案を瞬時に生み出し再提案することができるようになります。
これが、再創造の1つの形であり、相手と生み出す調和の体現としての創造なので、より良い世界の体現という意味にもなります。
詠春拳の稽古は決して「勝った」「負けた」という稽古ではなくて、自分のあり方を磨く稽古として捉えると非常に奥深い稽古となります。