人間は元々自然の一部です。

しかし、それをすっかりと忘れてしまい、ただ思考に従って生きている人が多いのが現実です。

思考で生きると、他人との比較に目がいくようになり、人工的な概念の中で生きるようになります。

そして、どんどん自然との調和が崩れていきます。

内なる自然とは?手の形から見える本来の自然

我々がこの地球と調和して生きるためには自らの中にある自然を覚醒させていくしかありません。

本来自然物であった人間が不自然になってしまったのは紛れもなく思考が原因です。

考えることによってどんどん分離してしまっていることに氣付かないと、いつになっても不自然なままでしょう。

そんな内なる自然を思い出すためにわかりやすいのが手の形です。

例えば、合掌をするとき。

神社仏閣、お墓などで手を合わせるときの手の形、一体どのような形になってますでしょうか?

おそらく、手のひらをペタッとくっつけて合掌してる人が多いのではないでしょうか?ただ、これって実はすごく不自然なことに氣付かないでしょうか?

ある程度手に緊張感がないと、手のひらがペタッとくっつくことはないはずです。

逆に、何も考えずに歩いてるときの手の形はどうなっているでしょうか?

おそらく、自然な手の形で少し指が曲がっているのではないでしょうか?

この自然な手同士をくっつけた合掌が本来の自然な合掌です。

内なる自然を生み出し生きる

このように、身体の中から自然な形を再度学びながら、自分の身体が自然物であることを思い出していきます。

これを武学体術では身体から学ぶと表現しています。

そうやって身体から学ぶことで、本来人間は自然物であり、自然と調和するようにできていることに氣付きます。

そしてその調和できるあり方を基準として、ズレたらその調和できる状態に戻すように稽古していきます。

この調和できる自然な状態をニュートラルと表現し、そこに戻るための方法を禮法と呼んでいます。

自然に戻れる方法って実はすごく貴重で、重要な方法です。

そういった秘伝である禮法を極めることで自然であることを思い出していってください。