積み上げた功夫は減らない。
今まで積み重ねてきた経験を全て積み上げていく感覚。
それが武術の醍醐味かもしれません。
死ぬ時が最強。その本質に迫ります。
積み上げた功夫は減らない
もし、あなたが「積み上げたものがいつかはなくなるかもしれない」と言われたら、そこに全エネルギーを注ぐことにどんな感情を感じるでしょうか?
スポーツでは、20代30代が全盛期と言われ、そこから落ちていく感覚を味わうといいます。
それは筋力や瞬発力、持久力など、スピード・パワー・スタミナを要するものだからです。
それは加齢と共に衰えていきます。
そう言ったものは「積み上がっていく」どころか、積んでいたものがどんどん崩れていく感覚を伴うのではないでしょうか?
そう言ったものに、全振りしていると、おそらくどこかの段階で強烈な不安と、恐怖と、落胆を感じるのではないかと思います。
武術はそう言った世界と対極をなす世界を味わうことができます。
積み重ねたものが崩れるどころ、さらにその上に積み上がっていく中で、積み上がったもの同士が影響しあってさらに面白い化学変化を生む。
功夫の正体
功夫とは2人で工夫するという意味です。
要するに対人での稽古によって、お互いが工夫することで、お互いを磨き合うという意味です。
その本質は宇宙の真理そのもので、お互いが逆観測し合うことで、お互いの宇宙を存在たらしめる行為であります。
それは現代物理学、現代量子学の正確な体現であり、この宇宙の存在意義そのものの体現とも言えます。
それが功夫の正体であり、その経験値がお互いに蓄積されていく過程はまさに人生そのもの。
その人生の本質こそが武術の功夫の正体なのです。