何事も順番が大事。
武学における禮法の中でも最も基本であり奥義でもある正体礼法。
そのポイントが7つあり、それを七要と言いますが、この七要の順番が大事だという話を深堀します。
正体礼法における七要
志体術や洪家體術、酔八仙、全ての武学の入り口に位置する正体礼法。
その基本が7つあり、それを七要とと呼んでいて、これを武学コミュニティ内では7つの秘伝と呼んでいます。
7つのチェックポイントであり、それぞれがすごく深い要素。
それぞれが秘伝。秘伝が7つ詰まっているのが正体礼法ということです。
- 1 頸椎
- 2 胸椎
- 3 仙骨
- 4 爪先
- 5 側手
- 6 正眼
- 7 正中
これら7つのポイントを丁寧に、正確に整えることで究極のゼロである無限大の極地に立てます。
そんな七要ですが順番が大事になります。以下、順番に1つずつみていきましょう。
1 頸椎
まずは首の骨に意識を通します。この頸椎が全ての基礎になり、ここが崩れると全てが崩れます。
頸椎が1mmでも前傾すると思考が介入して「感覚」が鈍くなります。
2 胸椎
頸椎がずれてない状態で次は胸椎を整えます。整えるというのは胸椎に意識を通すということです。
特に長さが頸椎とは違うのでずれやすいのがポイントです。
3 仙骨
胸椎の次は仙骨。骨盤への意識を通します。
この仙骨は身体の上半身と下半身の中心部に位置し、ここがずれると上半身と下半身は分離します。全身を1つにするためにはこの仙骨が極めて重要になります。
4 爪先
頸椎・胸椎・仙骨の三要で培ったボディのエネルギーを今度は足に伝播させます。
足の骨の先まで意識を伸ばすことで頭の先から足の先まで意識が通ることになります。
5 側手
爪先まで伸ばしたエネルギーを今度は手に宿します。
この時、肩・肘・手首という順番でエネルギーを伸ばしていくのがポイントです。
特に肩や肘で力みが残り指先までエネルギーがいかないことが多いので注意が必要です。
6 正眼
側手で身体の全身の骨に意識が伝播したことになります。
そんな身体の意識感覚を正眼でゼロ化します。
あるようでない、ないようである。そんな意識状態に戻すため、全てを観ます。
1点に集中すると意識が分離しますので、全てに意識を置きます。この意識の使い方は稽古会で徹底的に練り上げることが重要です。
7 正中
正眼の意識状態では、全てに意識が向いているのである意味でふわふわした状態。
そこから目的意識を持つことでエネルギーが流れ出します。
相手がいる場合はその相手の中心線に意識を向けます。これが正中感覚ですが、相手の中心に意識を向けることで相手の中心と関わることができるようになります。
以上が七要です。
そしてそれらは自分1人でやって「出来たつもり」になるのではなくて、必ず対人でチェックして正しさを相手を通して認識する、相対力学の稽古です。
そんな七要ですが、冒頭にお伝えしたように順番がめちゃめちゃ大事になります。
七要の順番が大事というお話
元々レノンリー老師が七要(7つの秘伝)をまとめたきっかけは太極拳です。そんな太極拳における太極十要からヒントを得て、特に重要なポイントを7つにまとめ直したとのことです。
そんな七要ですが、特に重要なのが頸椎です。
頸椎が最もズレやすいので長年稽古してるレノンリー老師でさえ、ズレる日があるということ。
そんな頸椎がブレずに真っ直ぐであれば、この世のあらゆることの見え方が変わるのです。
思考ではなく感覚優位で物事を感じることができるようになり、物事の本質に敏感になります。
目に見えるものだけでなく、目に見えないことにも関心が向くようになります。
ないことばかりではなく、あることに目が向くようになります。
今ここ100%生きられるようになります。その首の角度が全ての始まりであり、その状態を絶対にずらさないように胸椎、仙骨と整えていきます。
仙骨までの三要が身体の上半身のエネルギー構築のための要件となり、内臓が集まった上半身で培うエネルギーを活用する方法を身法(しんぽう)と呼んで、酔八仙之術でいう藍采和(ランツォイウォ)でのエネルギーコントロールとなります。
この身法のエネルギーコントロールが全ての体術の基礎となります。
そこから、脚、手(橋)の稽古へと移っていきますので、特に三要の練り込みが重要になります。
このように、七要は順番がとても大切であり、これを稽古を通じて体現できるように練り込むことで人生が劇的に変化していく、好転していくことを体感できるようになるはずです。