息の秘伝。

レノンリー老師は常々、「息の稽古は深い、本当に深い」と口にします。

それぐらい奥深さを持っている息。

普段何氣なくしている呼吸。

そこから紐解ける人間の深淵さの一端について深堀していきましょう。

息とは意と氣

息とは自らの心と書きます。自らの心の反映としてその呼吸に現れる「今」から紐解ける意と氣。

意識と氣=エネルギーの今が息に現れます。

それを正確に認識することができれば、今の意識や感情それに付随する今の自分のエネルギー状態を観測することができます。

今何を感じて、どのようなエネルギー状態なのか。

何もない時は自然な呼吸をしているでしょう。

しかし苦手な相手が目の前にいるとき、緊張するような場面では普段の呼吸ではなくなっているはずです。

それは感情やエネルギーが呼吸に投影されているからです。まずはそれを正確に観察することができるようになり、現在の自分を正確に認識することができるようになると、さらに呼吸をコントロールする次元に向かいます。

呼吸をコントロールすることで意識や氣を操れる

呼吸と感情や意識は相対関係です。感情が乱れたら呼吸も乱れます。意識が乱れれば呼吸にも影響があります。

それを逆手に取れば呼吸をコントロールすることで意識や感情をコントロールすることができるようになります。

呼吸は健在意識と潜在意識の両方を司っています。

意識的に呼吸をコントロールすることで、無意識的に起こっている意識の変化も自分の理想とする意識の変化に矯正することが可能になります。

例えば、嫌な人が来たときに自然と呼吸が浅くなり、不安感や不快感が現れていたら、まずはその時の呼吸を意識的に深くゆったり行うことを習慣化することで、無意識にそういった場面で不安感や不快感が出ないようになることが可能です。

全ては呼吸をどれぐらい正確に扱えるようになるか。

稽古のしがいがありますね。