酔八仙之術という武術の最高奥義である酔拳の講座では8人の仙人の術理を体得します。

その中の何仙姑という仙人。

唯一の女仙人なのですが、なかなか興味深い稽古法の数々。

レノンリー老師が体系化した中では詠春拳がベースとなっているようです。

何仙姑で学ぶ身体の構造

何仙姑では正中という意識や身体の構造を稽古します。

人間は正中線上でエネルギーがフルに出るようになっていて、相手の正中線上で相手にアプローチしてもなかなか相手のエネルギーをコントロールすることは難しくなります。

それは、正中線上では骨格構造が強く、意識的にも乱れが少なくなるためです。

相手のエネルギーに対して、どの位置で自分の身体の構造が整うのか、または崩れるのかを相対力学を通して体感していきます。

何仙姑の基礎稽古

正中線上では意識と身体のバランスが整いやすく、その状態では相手を崩すことができません。

なので、まずは正中線を外して相手にアプローチすることで相手のエネルギーが崩れやすくなることをお互いに体感します。

両手を地面と水平に前にまっすぐに伸ばし、手をくっつけて矢印を作ります。

そもての指先から相手の矢印手に対して、どの角度で侵入すれば相手のエネルギーを崩せるのか、お互いにその感覚を養うことで、相手の身体の構造と自分の身体の構造の相対関係を体感していきます。(詳しくは動画内にて)

そして、その角度はおよそ30度。

人体構造上、正中線から30度ずらされて侵入されるとエネルギー的に弱くなることが体感できるはずです。

これは人間に備わった共通の感覚なので、基本的に誰がやってもそうなります。

このように、まずは身体と意識の構造の感覚を対人稽古を通じて学んでいきます。